kinobori report 増刊号
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NEC PC-9821Cb / その1

         CPU     i486Sx(33MHz)
         ROM     BIOSおよびN88-BASIC(86)98KB
         SOUND    16KB
         メモリ    7.6MB
         HDD     210MB
         ディスプレイ 15inch 640×400(480)





 たはははは。
 仕様書から写しました。意味が分からないんですがぁ、メモリとHDDの数字が桁違いに貧弱だと言うことは分かります。

 超ビギナーズ向け雑誌「ぱそ」を創刊から一年ほども購読して、カタログ項目の意味が2つ3つなんとなく分かるようになってから購入たのがこのNEC 9821CB。息子の高校入学祝いでした。
 そのパソコンを息子は使いこなせませんでした。で、4年後「やるわ」の一言で私のものになりました。

 喜びましたよ、単純に。
 茶の間の小さなキャビネットを片付け、9821Cbを置きました。電源を入れたら起動画面の上を、とととととと、と何かの文字列が走りました。真っ黒い画面にYとか:とか\とかの文字が4つ5つ。
 なに、これ。

 基本ソフトはWindous3.1ですけど、そのパソコンには「98ランチ」という、ランチャー(と呼ぶらしい)が入ってました。立ち上げ画面でマスコットの蜂が案内してくれるはずでした。

「キャンビーの蜂が出てこないよー」

 息子が何かのキーをがちゃがちゃ触って、最初のページを出しました。
 マインスイーパーでちょこっと遊んで、電源を落とそうとしましたが、切れません。

「切れないよー」
「コンセント抜いて」
 そんなむちゃな〜。^^;

 と言いながら、ほんとにコンセントを引っこ抜きました。
 聞いてみたら、友達がゲームをインストールしてからこうなってしまったとのこと。ばか息子が「やるわ」と言うわけです。

 その後、起動の時にどこを経由するかだけ何とか覚えました。パソに入ってるファイルが全部表示されてたらしい。エクスプローラみたいに階層表示じゃなく、ずらーーーっと一覧表示だった気がするけど、当時そんなこと全然分かってなかったか、ら勘違いかも知れません。読みにくいったら。

 で、終了は相変わらずコンセント操作。これがまずいってことは「ぱそ」のおかげで何とか分かります。
 どったんばったん騒いで、結局マック使いの甥っ子んちに押し掛けた。うちの子と3つ違いだけど、しっかりしてるんだ、この子が。
 彼は「ウィンドウズはなぁ」と不安と不満が少し混じったような口調で私の説明を聞いてました。

「そらぁ、こんふぃぐなんたらとえくぜばっとがどうたらこうたら」
「え?????」
「システムインストール用のディスクは?」
「見たことない」

 大天使様は、しゃあないなあといいながら、滅多に使わないというWindows機を引っ張り出してフロッピー・ディスクとCD-ROMを作ってくれました。
「これで再インストールやな」
「え??」
「簡単やから。とにかく、それ入れて指示通り進めたらええだけや」
 説明は全くありません。
 前言撤回。あんたは天使とちゃう。

 帰宅して、頭を抱え込みました。パソコンったって、マインスイーパーしか触ったことのない超初心者ですぜ? なのに、こんな得体の知れない(ごめんね)CDで、手順の指示無しにさいいんすとおるぅ?

まてよ、こんふぃぐなんたらとか言ってたよな。
マニュアルを捜しました。何を言われたかもちゃんと覚えてないから索引引くのも手間がかかる。第一、10冊ほどあるマニュアルのどれを読めばいいのかも分からない。
 でも、見つけました。「CONFIG.SYSとAUTOEXEC.BATの復元」。こんなのには書いてないだろうと最後に回した簡易製本の「ソフトウェア補足マニュアル」です。この原稿を書くのにその記事を捜しました。やっぱり最後の一冊になりました。(汗)

 指示通りったって、指示の意味が分からない。
「領域を指定してください」
 領域って、何。

 3年も前の話です。どんな作業をしたのか覚えてないけど、エキサイティングでした。そのパソコンがなくても差し支えないという状況が幸いしたんですね。失敗がコワくない。
 で、できちゃったんですわ、再インストール。これで無駄な自信を付けちゃったのが、後々祟ったかも知れません。何しろ「間違ったら再インストール」だから。

 第二幕は1年後でした。忘れもしない、1999年の秋。2000年問題がパソコンに縁のない私たちの口にも上る頃でした。つづく。




NEC PC-9821Cb / その2
 

1999年の秋。
 9821Cbは、見たことのないエラーメッセージが出てリセットも強制終了も効かなくなりました。
 当然、再インストールをしました。ばかの一つ覚え。
 3回くらいやったかなぁ。効果なかったですね。けど、諦めずにキャンセルを何度も押したら5分か10分で立ち上がることは立ち上がります。

 お金をかけてまで修理する気はなかったので、今度こそアウトかなぁと思いながら画面のあちこちをクリックしてみました。そしたら、時計を開けてびっくり。デジタルがものすごい勢い出回っていました。‥‥‥‥西暦2053年。
 ひやあぁ〜〜、2000年問題なんか目じゃないぞぉ〜〜〜^^;

 私の手に負えるはずがなく、9812は一旦嵩高いオブジェになりましたが、その後、思いがけない出番が回ってきました。居間のテレビがぶっ壊れたので、代打です。
 すぐにテレビを買い換えるつもりだったんですよ。ところが、息子は自室にテレビを持ってるし、主人は画像に全くこだわりがないので「これでいい」。
 ただし、息子はともかく主人は機械操作が嫌いで(しかもトラブル付きだし)、立ち上げはワタシが専属オペレーター。A^^;)

 私は、朝、時計代わりにテレビをつけることがなくなりました。だって、さあ出勤と言う時に、手間のかかるシャットダウンなんかやってられません。
 習慣でテレビをつけるということがなくなりました。はまっていたファミコンからも次第に遠ざかりました。たまにやるのはマインスイーパーとか、ソリティアとか。
 マインスイーパーの記録、初級12秒、中級53秒、上級228秒って、そこそこの線行ってるんじゃないかと思うんですけど。

 2000年の暮れ、29インチテレビに買い換えるまで、15インチの9821は1年近くも代用TVの役目を果たしてくれました。

 その後、1度だけパソコンとしての出番がありました。
 9821が代用テレビの役目を果たしている間に、私は自分用にFMV ME4/535Rを買っていて、ワープロ専用機のデータをこれに移せないかと試行錯誤していたんです。
 ワープロにはMS-DOS変換機能が付いていたので、なんとか9821(Win 3.1)のメモ帳で読める形にすることはできました。でも、その先はどうにもできそうになくて、諦めましたけどね。
 プリントアウトしたものをスキャナで読みとって、OCRソフトで変換すればと言うアドバイスもいただきましたが、メインは原稿用紙換算で1300枚相当の文書です。A^^;)

 あれから2年余。9821の時計は相変わらず悪夢のようなスピードで回っています。でも、2100年までは行かず、どこかでタイムスリップして後戻りしているようです。
 パソコンフォーラムの雑談で質問してみたら、内臓電池がアウトなんだろうと言うことでした。取り替えも効かないらしいです。できるとしても、手間をかけて交換するほどの機体じゃないと言うことでした。

 昨日、写真を撮るためにきれいに拭いてあげました。キーボードカバーは文字も判別できないくらい汚れていましたが、外したら新品同様でした。マウスもぴかぴかになりました。

 今は、時折帰省する娘の部屋で、代用TVとしての静かな余生を送っています。
 粗大ゴミには出せません。